《〈生活に彩りを〉
彩りのある生活とは何かと考えた時に、遊び心を持ち、必ず必要なものではないけれど、所有していれば気分が高揚する、そんな物が生活に彩りを添えてくれるのではと思いました。
新しい紙の可能性は、今までに見たこともないものを作ることではなく解釈や組み合わせ、加工等でも可能性があるのではないかと思い、今回の作品を制作しました。
食卓にあるはずもないスプレーで生活に色をつけてみてください。》
（※デザイナーキャプションより）
型破りなプロダクト。
その斬新な発想は、どこからやってくるのだろう。
スプレー缶を模した木製のコースターストッカー。
コースターデザインは8種類。
印刷、抜き、彫刻を駆使した、彩り豊かなカラフルなアートデザインコースター。
約200枚がストックできる。
本来の素材ではないものを別の素材でつくる、組み合わせる、という手法は、常識にとらわれず、未来への可能性を拓くうえでのイノベーションの方法のひとつである。
しかし常識を破るにも、守破離のごとく、基本の考えや型、教えを疎かにしていては、本当の新しさや進化ではなく、歌舞伎でいう型無し、奇をてらった異形のアウトサイダーに陥ってしまう。
そのプロダクトに軸はあるか。
その造形ひとつひとつに、魂をこめて丁寧に。細部まで。
木製スプレー缶に組み合わさるコースターひとつひとつが彩りを構成し、手にする者にパッションを与えるプロダクト。
POPも必見。
東南アジアに実際に生息するという昆虫をモチーフにした七色に光るポスター、さらに木の年輪を紙で表現。（昆虫や年輪はコースターデザインのひとつ）
実際に七色に光る姿は、これまでにない紙の可能性や輝く未来をみせているかのようでもある。
こだわりのCafeや雰囲気のあるBARカウンターの片隅に、来客の集まるリビングダイニングに。そっとたたずむプロダクトを想像するのも面白い。
さぁ、あなたの人生にも豊かな彩りを。
撮影：吉田 宗義
＜プロダクト製作の見どころ＞
木製のスプレー缶の中心軸に、穴の開いたコースターを通し重ねていく構造。上部がマグネットキャップになっており、絶妙な節度感で固定される感覚が楽しい。
紙の表面をレーザーカットの出力の強弱で彫刻する独特の表現力を、最大限に活かした年輪デザインに注目。
微細な凹凸の陰影と、元の紙の表面からは想像しえない、実際にザラザラとする触感を生み出している。
じっくりとみて手に取って触って欲しい五感を充分に刺激するプロダクト。
